主義:順応性

彼は腕に力を入れすぎていたため、何度も投げ返されていた。ついにわたしは彼の腕をつかんで、ひと思いにボキッと折った。当然、腕が治るまで稽古に支障は出たが、こういうことは早いうちにしっかり学んでおくべきだと考えたのだ。

— スパルタン・ケル,
“気を磨く”

懲罰スフィア

スフィアを前にすると、たとえ神経ステープラーを装着する
前であっても、被験者が永続的な心的外傷を受けることがよ
くある。このことが社会全体の意識に与える影響は大きい。
妻が中へ入っていくのを見た夫が何人もいる。子供が入って
いくのを見た母親もいる。ザイナン博士は、スフィアの表面
をわざと半透明にした。中にいる彼らの声が聞こえ、姿が見
える。恐ろしいほど美しい光景だ。

— クリム男爵,
“天球の音楽”

生体強化センター

われわれは皆、時に感覚が欺かれたり、目の錯覚があることを
知っている。しかし、今この時、偽りの感覚を抱かされている
わけではないことを確認するには、どうすればよいのか。もし
かしたら常にだまされているのではないだろうか。わたしはど
こかのタンクに入れられた脳にすぎず、この世界で起きている
ことは現実だと、ばかげたコンピュータか何かにずっと信じ込
まされているのではないか。実在するのはおのれの自我だけだ
というこうした考えを抱くことで、果たしてわたしの人生は有
意義なものになるのだろうか、それとも意味を失うのだろうか。

— 第7タンク、標本46、プロジェクトPYRRHO
M.Y.2302.活動記録22467 標本抹消の勧告